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永井 準決勝ピンチ…回復遅れ関塚監督「厳しそう」

[ 2012年8月6日 06:00 ]

エジプト戦で負傷、担架に乗って苦悶の表情を浮かべる永井

ロンドン五輪男子準決勝 日本―メキシコ

(8月7日 ロンドン)
 関塚ジャパンのエースストライカーの準決勝出場に黄信号が点灯した。4日の準々決勝エジプト戦で決勝点を挙げながら、左太腿を打撲し途中交代したFW永井謙佑(23=名古屋)について、関塚隆監督(51)は5日、準決勝メキシコ戦(日本時間8日午前1時開始)の出場は難しいとの見解を明かした。圧倒的なスピードを武器に攻守で日本をけん引してきた男が起用できないとなれば大きな痛手となる。

 4強決定から一夜明けたこの日、マンチェスター市内のグラウンドで行った練習に参加したのは控え組にGK権田を加えた7人だけだった。開始前に関塚監督は永井の状態についてこう説明した。「今の感じだと(準決勝出場は)厳しそうだ」

 永井はエジプト戦で俊足を生かし決勝点を決めた。だが、ゴール直後に相手DFと激突し、左太腿を打撲して途中交代。10年アジア大会でも左太腿を打撲しながら回復し、その後も活躍し続けた経験を持つ永井は「大丈夫です。アジア大会のときほどひどくないし、治ったので」と大事に至らないとの見解を示し、日本協会も軽症と発表した。しかし、チームドクターによると、試合後に病院で診察を受けていた。また宿舎に戻った後もメディカルルームで夜遅くまで治療を行い、この日は治療に加え、主力組に交じってプールでトレーニングをこなしたという。当初の見通しよりも回復が遅れているようだ。

 関塚ジャパンは五輪開幕直前の7月21日のメキシコとの国際親善試合で1トップに永井を置く五輪用の布陣を確立。永井のスピードを最大限に生かす戦術で、本大会を勝ち抜いてきた。そのキーマンが不在となれば準決勝以降は戦術変更も検討しなければならない。

 チームは練習後、ロンドンに移動し選手村に入る。選手村近くには、日本代表選手を支援するための「マルチサポートハウス」がある。高圧酸素カプセル、マッサージベッド、温水と冷水の浴槽に交互に入ることで疲労を取るリカバリープールなどが完備され、治療のための環境が整っている。永井は10年アジア大会の負傷の際も高圧酸素カプセルを使用し、回復した。手厚いサポートを受けて、復活の道を模索する。

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2012年8月6日のニュース