×

体操男子団体4位→銀 列島てんやわんや 視聴率はV字回復

[ 2012年8月1日 06:00 ]

 今大会一番のメダルラッシュに日本中が沸いたロンドン五輪第4日。中でも「メダルなし」の4位発表から、審議の結果、銀メダル獲得となった体操男子団体総合。31日未明、国内各地で行われた応援会では、一度はため息とともに解散した会場が歓喜の輪に包まれた。また、テレビの視聴率も異例のV字回復を遂げ、列島は「地獄から天国」を味わった。

 東京都品川区にある内村航平(23)、山室光史(23)、田中佑典(22)の所属先、コナミの関連会社「コナミスポーツ&ライフ本社」では、社員ら70人が集まり声援を送った。この日のために特注した選手の似顔絵入りTシャツを着た社員らは、4位の表示が出た瞬間「あ~」と大きなため息。その後「よく頑張った」などと拍手が起き、いったん“解散”。三々五々、会場を後にし始めた。

 しかし、テレビを見続けていた社員から「あれ?審議しているよ」との声があがり、立ち去りかけた人も足を止めたり、いったん出た人が会場に戻るてんやわんやぶり。皆食い入るように画面に注目し、銀メダル獲得に会場は大きく沸いた。

 井星一人さん(32)は「前向きにやれば良いことがあるというメッセージをもらった。金メダルよりも価値がある特別な銀メダル」と感激。滝沢慶さん(31)は「メダルが獲れなくて驚き、結果が覆ってまた驚いた。地獄から天国だ」と興奮気味だった。

 内村の地元、長崎県諫早市では市役所に大画面が設置され、両親が経営する体操クラブに通う小中学生や保護者らが声援。採点見直しで結果が覆ると「やった!」と歓声が上がり、内村の祖母小川彰子さん(78)は「こんなこともあるんですね」と驚いた。

 眠い目をこすって声援を送ったお茶の間も、一喜一憂。NHK総合が中継した午前0時25分から4時間5分の平均視聴率は、このような時間帯にもかかわらず11・0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)の高い数字を記録。時間ごとの推移では、内村が最終競技のあん馬を開始した直後の同2時55分は12・1%。内村の得点発表で日本が4位の結果が出た瞬間の同57分は12・6%まで上がった。

 しかし、その5分後の同3時2分には視聴者もがっかり落ち込んだのか、9・6%まで急降下。「通常は競技が終わり、一度数字が下がったらそのまま下がっていくのが普通」(同局広報)だが、同11分「審議中」と掲示板に掲載されると10・3%まで上昇。銀メダルが確定した同12分に10・4%と異例のV字回復となった。

続きを表示

2012年8月1日のニュース