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「新しい技術を駆使」して「青3本」から「白3本」に

[ 2012年7月29日 22:41 ]

男子66キロ級準々決勝 最初の旗判定で上がった青旗を見る海老沼匡

 柔道男子66キロ級準々決勝で、旗判定をやり直して勝敗が覆る異例の混乱があった。海老沼匡(パーク24)が準決勝に進んだが、表情には戸惑いも浮かんだ。

 チョ・ジュンホ(韓国)との延長を含めた8分間はともにポイントなし。最初の旗判定では主審と2人の副審が全員、チョ・ジュンホの勝ちを意味する青い旗を上げた。しかし畳の脇で主審らを監督する審判委員が主審と副審にやり直しを命じた結果、「白3本」に変わった。審判委員の1人、国際柔道連盟(IJF)のバルコス審判主任理事は「(審判員の)誰もが犯すミスをなくすため新しい技術を駆使している」と、映像をもとに判定を覆した理由を述べた。

 日本の吉村和郎チームリーダーは「そもそも韓国に上がることがおかしい」と最初の判定に不満を唱えつつ「覆るなんて見たことがない」とあきれ顔で話した。この試合では延長の途中にも、有効と判定された海老沼の小内刈りを、審判委員の異議で取り消される一幕があった。吉村チームリーダーは「審判委員が試合を止めすぎだ」と指摘した。

 柔道では微妙な判定への不満をなくすため2006年からビデオを試験的に導入。現在は、大きな大会では畳の横で3人の審判委員が判定を監視する。ただ全日本柔道連盟の川口孝夫・審判委員長によると、映像を基にした審判委員の「助言」の範囲については「規定がない」と話しており、このあたりに混乱の理由がありそうだ。(共同)

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