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エース清水、強行復帰!五輪切符獲得へぶっつけ本番

[ 2012年6月1日 06:00 ]

練習後に取材に応じる清水

 バレーボール男子のロンドン五輪出場権を懸けた世界最終予選兼アジア予選は1日に東京体育館で開幕する。日本代表12選手が31日に発表され、3月末に右足首腓骨(ひこつ)筋腱脱臼で手術したエースの清水邦広(25=パナソニック)がメンバー入り。8チームで2枚の五輪切符を争う厳しい戦いを乗り越えるため、エースが強行復帰した。

 エースが大一番に間に合った。メンバーに名を連ねた清水は前日練習でも精力的に汗を流し「いろいろあったけれど、あすから出場できるようになった。ここまで来たら気持ちで何とかしたい」と気合を込めた。

 3月半ばの練習中に右足首腓骨(ひこつ)筋腱を脱臼し、同30日に手術した。「普通の人なら間に合わない」(清水)タイミングだったが、本来6週間ギプスで固定すべきところを10日間に短縮。筋力の低下を最小限に抑え、懸命にリハビリに励んだ。前哨戦の5月半ばのワールドリーグ浜松大会は欠場。23日からチーム練習に合流し、ぶっつけ本番で試合に臨むことになった。

 日本が4大会ぶりに出場した前回の北京五輪ではチーム最年少の代表。サウスポーから繰り出す豪打を武器に、09年ワールドグランドチャンピオンズカップでベストスコアラー賞を受賞するなどエースに成長した。人一倍負けず嫌いで、負けると人目を気にせず号泣する。愛称は「ゴリ」。今や日本に欠かすことのできない存在だけに、植田監督は「思った以上に回復している。2センチの(遊離)軟骨の除去もできて、昨年よりパフォーマンスが上がると予想している」と期待を込めた。

 日本は現在世界ランキング15位で、出場8チーム中4番手。五輪出場権は1位と、2位以下のアジア最上位(5カ国が対象)の2チームにしか与えられないため、厳しい戦いになることは間違いない。世界ランク3位の女子は思わぬ苦戦を強いられ、最終戦で辛うじて五輪切符獲得を決めた。何が起こるか分からないのが五輪予選。指揮官は「みんな女子は100%行けると思っていたはず。安全なチームはない。全ての試合が鍵になる」と言って、表情を引き締めた。

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2012年6月1日のニュース