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民間初五輪へ 精鋭そろう

[ 2009年3月29日 06:00 ]

太陽グループの東原社長(左)とがっちり手を合わせ笑顔の(左から2人目から)田中、大高、向井

 バイアスロンで初の民間五輪代表を目指す。06年トリノ五輪代表で留萌市出身の大高友美(32、旭川大高出)、田中珠美(33)、向井文子(24)が28日、パチンコ店などを経営する太陽グループ(東原俊郎社長)に入社し会見を行った。結束が固い“3本の矢”で来年のバンクバー五輪代表を射止める。

 希望に満ちあふれていた。昨年11月のIBU杯で権利を得て、W杯に参戦することが五輪代表への最低条件。距離で2度、バイアスロンでも五輪に出場した大高は「3人とも一番どん底を経験した。あとは上を目指して頑張るだけ」と意気込んだ。
 苦難の連続だった。07年に自衛隊を退職後、富山県に拠点を移し競技を続けてきた。日本には射撃と距離が同時に練習できるのは、自衛隊の施設しかなく、練習も1日中できた自衛隊時代とは違い、ゴルフ場でキャディーの仕事と両立。「仕事をするだけでいっぱいだった」(大高)。週3日、2時間確保するのがやっと。さらに射撃は県唯一の射撃場に通ったが、年間通して10回以下しかできなかった。射撃の精度がものをいうバイアスロンにとって致命的だったが、「練習できないもどかしさはあったが、やめたいというのはなかった」と振り返った。
 太陽グループ所属となって今後は歌志内市の歌志内太陽ファームで仕事と競技を両立。午前を仕事に充て、練習は午後から市内のかもい岳(スキー)と、近隣の浦臼町(射撃)で行う。また今夏はラムソー(オーストリア)で3週間ほどの合宿を計画。練習は主に大高がメニューを組み、実践する。「民間でもできるというのを見せたい」。代表決定は来年1月。民間からの五輪へ、新たな挑戦が始まった。

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2009年3月29日のニュース