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真央は決めるぞ!逆転のトリプルアクセル

[ 2009年3月29日 06:00 ]

<フィギュアスケート世界選手権>女子ショートプログラム 3位につけた浅田真央の演技

 真央の連覇に黄信号がともった。フィギュアスケート世界選手権第4日(27日 米カリフォルニア州ロサンゼルス=ステープルズ・センター)に行われた女子ショートプログラム(SP)で、日本人初の連覇を目指す浅田真央(18=中京大中京高)は今季初めて3―3回転の連続ジャンプを成功させたものの、ルッツでの失敗が響き66・06点で3位。圧倒的な演技で76・12点の世界最高得点を叩き出したライバル・キム・ヨナ(キム・ヨナ、18=韓国)とは10・06点の大差で、28日(日本時間29日)のフリーでの逆転は厳しい状況となった。

【Go!アスリート 浅田真央


 世界女王が2度、顔色を失った。得点を待つキス&クライで自身のスコアが出た瞬間。そして、報道陣に対応していた取材エリアのモニターに、ライバル・キム・ヨナの世界新が表示された瞬間だ。日本人初の連覇へ、絶望的ともいえる10・06点差。今季SP自己ベストの66・06点をマークしても、真央に笑顔はなかった。
 「課題にしていた連続3回転が決まって良かったけど、後半はベストじゃなくて悔いが残っています」
 自己ワーストタイのSP6位に沈んだ2月の四大陸選手権は濃いブルーの衣装だったが、この日はそれまで着用していた薄紫の衣装に戻した。気分を一新して挑んだ冒頭の3―3回転は、今季10度目のアタックで初めて決めたが、続くルッツでミスが出た。昨季、踏み切りエッジ違反で減点された苦手ジャンプは、3回転の予定が2回転に。「頭の中に(過去の失敗が)残っていた。もっと強くいけば良かった…」。このルッツでわずか0・90点しか稼げず、ジャンプ以外の項目でも取りこぼしが目立った。
 今季の浅田はSPが鬼門だった。今大会までの5戦で、首位発進は1試合だけ。タラソワ・コーチからは「勝つためには、SPをしっかり滑らないと駄目」と厳命されていたが期待に応えられず「きょう(27日)はもっとできた」と唇をかみしめた。
 07年世界選手権ではSPでキム・ヨナに10・63点差をつけられながら、フリーで逆転。だが、当時と今では状況が違う。腰痛に苦しんでいたライバルは今大会、絶好調。大きなミスは期待できないが「自分のできることをすべて出したい。(トリプル)アクセルを2回、跳びたい」と気合を入れた。フリー滑走順は真央が19番、キム・ヨナが22番。奇跡の逆転連覇を成し遂げるには、大技2発を決めて重圧をかけるしかない。

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2009年3月29日のニュース