60歳・大井が円盤投げで銅獲得
【北京パラリンピック第9日】陸上男子円盤投げ(車いす)で大井利江(60=岩手)が26メートル21で3位となり、前回アテネ大会の銀に続く銅メダルを獲得した。競泳男子五十メートル自由形(視覚障害)の河合純一(33=静岡)は同種目の4連覇を逃したが銀メダルを獲得。同男子百五十メートル個人メドレー(運動機能障害)の鈴木孝幸(21=静岡)と、車いすテニス男子ダブルスの国枝慎吾(24=千葉)、斎田悟司(36=同)組が銅メダルに輝いた。日本勢のメダルは計18個(金3、銀9、銅6)となった。
<陸上・男子円盤投げ>還暦の金メダリストは逃したが、車いすの大井が銅メダルを獲得した。1投目は大きく左に外してファウル。焦らずに修正し、3投目に26メートル21をマークした。89年に遠洋マグロ漁の操業中の事故で下半身がまひし、50歳を過ぎて本格的に競技を始めた。前回アテネ大会は銀メダルで、4年間は金メダルを目標にしてきた。「悔しい思いはあるけど、自分のベストは出せた」。60歳の元漁師は喜びと悔しさが入り交じった複雑な表情を見せた。
<車いすテニス男子ダブルス>国枝、斎田組は銅メダルが決まると抱き合って喜んだ。アテネでは同じペアで優勝。36歳の斎田は前日夜、観戦に来ていた息子2人に「何で金じゃないの」と言われたそうで、「父としてこのままでは終われないところだった」とホッとした様子だった。経済的理由から今大会限りでの引退を予定しているが「体力的にはまだやりたい。帰国したら一応スポンサーを探してみたい」と未練も口にした。
<陸上・男子八百メートル予選>四百メートルで金メダルを獲得した伊藤が1分52秒31の世界新記録を樹立した。スタートから圧倒的に抜け出し、従来の記録を3秒以上も更新。「これぐらいを出そうと思って走ったので、別に驚かない」と余裕の表情だった。四百メートルとの2冠に向け視界は良好だ。16日の決勝については「このタイムを見て他の選手が2位争いに切り替えてくれれば楽ができる」と話した。
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