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初戦のキューバ戦はエース・ダルが抑える

[ 2008年7月18日 06:00 ]

<日本ハム・楽天>完投で楽天を破り、梨田監督(左)とハイタッチをするダルビッシュ

 これが日本のエースだ――。北京五輪野球の日本代表編成委員会が17日、都内ホテルで開かれ、日本代表24人を発表した。この日、楽天相手にわずか89球で完投勝利したジャパンのエース、日本ハム・ダルビッシュ有投手(21)は予選リーグ初戦のキューバ戦で“開幕投手”を務めることが濃厚となった。また、楽天の2年目右腕・田中将大投手(19)も代表初選出された。

 【日本ハム3―1楽天】ダルビッシュが選んだラストボールは最も自信のある直球だった。フェルナンデスを空振り三振に仕留め計10奪三振。わずか89球。今季5度目の2ケタ奪三振で自身5連勝、11勝目を手にした。
 「連敗はできない。自分で止めるんだと思って投げた。早打ちしてくれて楽に投げられた」。わずか89球の完投勝利。ダルビッシュは右手を握りしめて雄叫びを上げた。
 安定感、存在感抜群の右腕。日本代表・星野監督も絶対エースとして期待している。予選リーグ初戦は8月13日のキューバ戦。指揮官は先発について「いろいろなデータがそろった時点で誰がいいのは決めていきたい」とするが、ダルビッシュの起用は濃厚だ。大野投手コーチも「初戦を取れば勢いがつく。いかにいい形で入れる人を使うかだ」と話しており、最大のライバルをエースのパワーでねじ伏せ、チームを波に乗せたい考えだ。
 代表首脳陣は今回の五輪で準決勝(22日)を最重要視している。ダルビッシュの開幕戦起用はここから逆算したものだが、初戦から準決勝までは中8日あるため指揮官は「ダルビッシュにしたって中継ぎはありうる。1回くらい中継ぎで投げたっていい」と予選リーグでの調整登板も示唆。すでに金メダルへの青写真はできている。
 若きエースにも重圧はない。悲願の金メダル獲りについては「そういうことを言うよりも先にすることがある。僕には投げる試合でいい投球をして次の人に渡すことしかできない」。どこまでもマイペース。それも自分の力を信じているからこそだ。
 「日本のいい打者に投げている。他国の選手がそれより上だと思わないので抑えられると思う。ここからドンドン上がっていく。いい状態で迎えられる自信があります」。五輪開幕まであと21日。星野ジャパンの若きエースに不安などない。

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2008年7月18日のニュース