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星野監督 上原不振でも“立ち直らせる”

[ 2008年7月18日 06:00 ]

巨人から選出された阿部と上原は笑顔で握手をかわす

 やはり上原抜きでの金メダルは考えられなかった。大不振の今季成績に加えて、16日の中日戦(札幌)では1死も取れずに逆転を許す3失点。それでも星野監督は200人を超す報道陣が集まった会見で言い切った。

 「きのうのピッチングを見れば、みなさんが不安になるのも分かります。でも1週間の合宿で、私と大野の2人できちっと立ち直らせてみせる」
 闘将には不調の原因がはっきり見えている。ひざとリリースポイントのバランスが崩れて、投球動作の際に上体が浮き上がってしまう。「あすは(巨人の試合がある)横浜スタジアムのブルペンに行ってみたいけど、怒られてしまうな」。チームに遠慮して直接指導は8月2日からの直前合宿まで控えるが、すでに本人に電話で伝えてある。
 大野投手コーチは昨年のアジア予選と同様、ストッパーに指名する方針。「“ここを頼むぞ”と決めておいた方が上原にもいいと思うしね」。発表前夜の16日夜、上原から携帯電話が鳴り「不安なんです」と弱音を吐かれたが「何を言ってるんだ、しっかりしろよ!」と突っぱね、奮起を促している。
 投手陣は当初の予定から1人減らした10人で決勝までの最大9試合を戦う。1人でも不調なら他の投手への負担も増え、空中分解の危険性もはらむ。それを承知での上原選出は星野監督にとっては大きな賭けでもある。
 「自信はありますよ。それに、あいつなら大丈夫!」。五輪開幕まであと21日。上原再生の可否が星野ジャパンの命運を握っている。

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2008年7月18日のニュース