×

マー君代表選出 決め手は救援適性

[ 2008年7月18日 06:00 ]

北京五輪野球日本代表に選ばれ、地球儀を手に北京を指差す楽天・田中

 無数のフラッシュにも視線をそらすことはなかった。驚きを口にしたが、腹は据わっていた。北京のマウンドに上がっているかのように表情を引き締めた田中は、大舞台への決意を口にした。

 「正直、ビックリしましたし、同時にやらないといけないという気持ちになった。出たくても選ばれない人もいる。責任を持って頑張りたい」
 00年シドニー五輪の杉内以来となる10代で代表入り。吉報は東京ドームへの出発前、都内宿舎ホテルの食事会場で聞いた。野村監督と米田球団代表から代表入りの事実を知らされ「監督から“頑張れよ”と言われました」。午後5時から東京ドーム内での会見までの間にふつふつとわき上がってきた“日の丸”への強い思い。「今回で一応、(五輪での)野球が最後という話もあるし、そこでメンバーに選ばれるのは大変なこと。予選はテレビで見ていただけだけど重圧、緊張感が伝わってきた。相当の緊張感になると思う」。チーム最年少ながら日の丸戦士として“野球の伝道師”となる覚悟はできている。
 代表入りの決め手はプロ初セーブだった。大野投手コーチが視察した6月22日の広島戦(広島)で、プロ初めて救援登板し3回を1安打無失点。星野監督は「マー君にはフル回転してもらう。若いんだから」と期待し五輪では全試合、中継ぎで待機させる意向だ。その上で大野コーチは「うまくいけば先発もあり得る」として順調に決勝トーナメント進出が決まれば、19日の中国戦、20日の米国戦での先発起用も示唆した。そんな期待に「励みになる。任されたところで全力で頑張りたい」と田中もやる気十分。さらに「星野監督は凄く熱い方だと思っています。自分としても熱いところを持っている。そういうところも話を聞きながら吸収していきたい」と続けた。
 日本野球の将来を担う19歳にかけられた大きな期待。「僕が一番、年下なのでやることはたくさんあるし、そういうのもチームの役目の1つ」。しっかりと自分を見つめながら、北京でも熱い雄叫びを上げる。

続きを表示

2008年7月18日のニュース