藤井正弘の血統トピック

ディーパワンサに受け継がれる勝負強さ

[ 2016年12月8日 05:30 ]

 阪神JFはリニューアル元年となった06年のウオッカ(父タニノギムレット)を皮切りに、07年トールポピー(父ジャングルポケット)、08年ブエナビスタ(父スペシャルウィーク)、09年アパパネ(父キングカメハメハ)と、4年連続で日本ダービー馬産駒が優勝した。その方向性は直近5年で2頭の優勝馬(11年ジョワドヴィーヴル、14年ショウナンアデラ)を出したディープインパクトにより発展的に継承されている。「ダービー馬の娘を狙え」は今なお、2歳女王決定戦の鉄則といえる血統格言だ。

 今年はディープインパクト産駒のエントリーがない。その代わりに後継種牡馬のディープブリランテが初年度産駒を送り込んできた。3戦2勝、デイリー杯2歳S4着のディーパワンサ。抽選待ちの1勝馬ジャストザマリン、スズカゼともども、このレースでは特注の“ダービー馬の娘”である。

 ディーパワンサの母ポロンナルワは、その母である米G1デルマーオークス勝ち馬シンハリーズの輸入時に胎内にいた持ち込み馬で、今年のオークス馬シンハライトの姉にあたる。偉大な父の普及版といった立ち位置のディープブリランテにとって、この母は最上級の交配相手だった。父子2代のダービー馬の勝負強さは種牡馬としても不変ということだろう。G1奪取に千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る