藤井正弘の血統トピック

【天皇賞・秋】存在感示すグレイソヴリン血脈「逃げ馬不利」覆す!!

[ 2016年10月27日 05:30 ]

 サトノダイヤモンドの菊花賞制覇によってまたひとつ、血統データ面のジンクスを打破した種牡馬ディープインパクトだが、同時に皐月賞馬ディーマジェスティの敗戦によって牡馬の「年間G1・2勝」はまたしてもお預けとなった。同一年に3頭の牡馬クラシック優勝馬を送り出すという金字塔は、見方を変えればディープインパクト産駒の中からディープインパクト産駒が突出することの難しさの証明ともいえる。

 今週の天皇賞ではイスパーン賞勝ちのエイシンヒカリ、ドバイターフ勝ちのリアルスティールがジンクス破りに挑む。特に昨年末に香港カップを勝っている前者は、現在のところリアルインパクト(安田記念、ジョージライダーS)と並ぶディープインパクトの牡馬のG1最多勝馬。ここを勝てば“単独トップ”に抜け出すことになる。

 エイシンヒカリが10馬身差大勝のイスパーン賞で得た129ポンドは、ジェンティルドンナ、キズナ、マカヒキといった世界ランカーの上を行くディープインパクト産駒の歴代最高値。レーティング的には既に父の産駒の頂点に立っているわけだ。祖母の父カロは、古くはタマモクロスの時代から秋の天皇賞で存在感を示してきたグレイソヴリン血脈。9着に終わった昨年とは一転、逃げ馬不利の常識を覆す大パフォーマンスをやってのけても不思議ではない。(サラブレッド血統センター)

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