藤井正弘の血統トピック

アヴァンセ 父も母の父も“秋華賞御用達”

[ 2016年10月13日 05:30 ]

 今や得意ジャンルは芝コースのG1全般といっていい種牡馬ディープインパクトだが、今週の秋華賞も過去5世代で3勝(12年ジェンティルドンナ、14年ショウナンパンドラ、15年ミッキークイーン)、2着2回(12年ヴィルシーナ、13年スマートレイアー)という圧倒的なシェアを誇るレース。主役を務めるはずだったシンハライトの穴を埋めるのもやはりこの父の産駒となるだろう。

 母系の血統でふるいにかければレッドアヴァンセ。同馬の母の父ダンシングブレーヴの特異な秋華賞実績には敬意を払う必要がある。

 96年の第1回秋華賞2着馬エリモシックの父であるダンシングブレーヴは、翌97年も2着のキョウエイマーチを出し、01年のテイエムオーシャンで秋華賞サイヤーとなった。さらに母の父として04年の優勝馬スイープトウショウを出すと、06年の優勝馬カワカミプリンセスの父(キングヘイロー)の父となり、13年2着のスマートレイアーの血統表には母の父(ホワイトマズル)の父として名を連ねている。秋華賞20年の歴史に世紀を跨(また)いで寄り添ってきた“御用達血脈”なのである。

 レッドアヴァンセは前記エリモシックの全妹エリモピクシーの子。快足マル外ファビラスラフインの後塵(こうじん)を拝した伯母の20年越しのリベンジマッチということになる。反撃には絶好の舞台設定だ。(サラブレッド血統センター)

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