藤井正弘の血統トピック

リーチザクラウン スペシャル継承、予想外の好発進

[ 2016年9月14日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介 リーチザクラウン】2006年生まれ 青鹿毛 千歳産 父スペシャルウィーク、母クラウンピース(母の父シアトルスルー)中央で26戦4勝 主な勝ち鞍はマイラーズC、きさらぎ賞 2歳産駒34頭。

 98年の日本ダービー馬スペシャルウィークが送り出した現在のところ唯一の後継種牡馬。逃げて後続をちぎるという奔放なレーススタイルで頭角を現し、直線先頭の見せ場を作った日本ダービー2着など、3冠路線では常に主役級の存在感を放った。古馬戦線では燃えすぎる気性に加え、骨折や喘鳴(ぜんめい)症の影響もあって不振を極め、4歳春のマイラーズC優勝を最後に13連敗。それでも潜在能力を惜しんだ西山茂行オーナーの尽力で種牡馬入りが実現した。

 初年度の種付け料は格安の20万円。現2歳世代34頭の登録産駒は、お世辞にも粒ぞろいとは言い難い血統なのだが、今週末の野路菊Sに出走予定のエスケークラウン、先週末にデビュー3連勝で佐賀のJRA認定競走を勝ったスーパーマックスなど、12日現在で出走20頭中8頭(中央5頭、地方3頭)が勝ち上がるという好発進を見せている。同期の父の産駒には、いわゆる伝説の新馬戦で本馬と対戦していた女傑ブエナビスタがいるように、この父にとって2度目のビンテージ世代。文字通りにスペシャルな遺伝因子を継承していたということなのだろう。この夏、社台スタリオンステーションが権利の半分を取得し、来シーズンからは世界最大級の種牡馬基地の一員となる。お楽しみはこれからだ。 (サラブレッド血統センター)

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