藤井正弘の血統トピック

アキコに託したヨハネス「打倒ディープ」

[ 2013年12月4日 05:30 ]

 週単位、というより一時はレース単位で首位が入れ替わる激戦が展開されてきた本年度の2歳リーディングサイヤー争いもいよいよ最終局面を迎える。

 1日現在のトップは獲得賞金3億6089万9000円のディープインパクト。種牡馬統計記録が整備された1955年以降、サンデーサイレンスだけが達成した4年連続の戴冠に向けて大きく前進している。今週の阪神JFは1着賞金6500万円。これをハープスターがもぎ取ってしまえば当確だろう。2冠牝馬ベガの孫であるハープスターは01年の朝日杯FS勝ち馬アドマイヤドンのめいに当たる。クラシックを展望できる成長力と同時に2歳戦から頂点を狙える仕上がり早の属性も潜在する血統だ。

 2位のキングカメハメハは3億3978万1000円で、その差は2100万円余。過去に例のない4年ぶりの王座奪還の目を残しているのだが、手駒が不在の今週は漁夫の利を期待するほかない。

 夏競馬で素晴らしいスタートダッシュを見せた新種牡馬ヨハネスブルグは現在3位。いつの間にか首位ディープインパクトには8000万円以上の差をつけられてしまった。稼ぎ頭のホウライアキコが前記ハープスターとの“直接対決”に臨む2歳女王決定戦は、まさに背水の陣といえる。欧州のカルティエ賞と北米のエクリプス賞を同時に受賞した歴史的な2歳王者。種牡馬としても完成度勝負の局地戦なら簡単には引き下がれまい。ちなみにホウライアキコの3代母の全兄セクレトが国内で出した唯一のグレード勝ち馬は、12年前の阪神JFを制したタムロチェリーである。

 獲得賞金2億7956万3000円で4位のゼンノロブロイは、3年前の覇者レーヴディソールの半妹レーヴデトワールを送り込む。初年度産駒の活躍が交配数に反映された現2歳は血統登録産駒184頭を数える大豊作世代だが、そのトリガーが09年に2着入線したアニメイトバイオだった。レーヴデトワールがレース史上2度目の“姉妹制覇”に成功すれば一気に2位に浮上する計算。総合的な戦力の厚みを考慮するとその場合、ディープインパクトには最も怖い存在となる。

(サラブレッド血統センター)

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