藤井正弘の血統トピック

南関の挑戦者サハラに宿る芝G1配合

[ 2012年9月12日 06:00 ]

 今週のセントライト記念には菊花賞出走権を懸けて2頭のNAR所属馬が出走を予定している。東北ブロック代表選定競走のオパールCを制したコスモワイルド(川崎・河津厩舎)と、ジャパンダートダービー3着で地方所属馬の3歳世代最高レーティング(105ポンド)を獲得した南関東ブロックのアートサハラ(大井・荒山厩舎)である。

 2歳時にコスモス賞3着の実績があるコスモワイルドは、この春も中山コースで芝の500万条件戦を2度走って8、7着。ちなみに前走の2着馬はJRAの芝新馬勝ち馬ロッソコルサだった。ワイルドラッシュ産駒としては例外的な芝馬には違いないが、能力水準は高く見積もってもJRA2勝クラスだろう。

 アートサハラは南関東3歳世代の実質的な最強馬。このクラスの牡馬が菊花賞のステップレースに矛先を向けてきたのは、地方競馬に門戸が開かれた95年以降で初めてのことだ。母の父(ラシアンルーブル)がニジンスキー系である点は、父マンハッタンカフェの代表産駒、レッドディザイア、ヒルノダムール、ジョーカプチーノと共通する“芝G1配合”。確かに芝コースでの可能性を感じさせる血統ではある。同族(3代母テンパーソロンの全兄)の日本ダービー馬サクラショウリは、セントライト記念に勝ち、京都新聞杯2着を挟んで駒を進めた34年前の菊花賞で圧倒的な1番人気に反して5着に敗れた。血統的因縁からもぜひ、菊花賞を走らせてみたい馬だ。

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