藤井正弘の血統トピック

【チャンピオンズC】ダート血統の桜花賞馬ソダシ 父は元祖二刀流クロフネ

[ 2021年12月1日 05:30 ]

 「日本産白毛馬史上初の芝デビュー勝ちには、いわゆる鬼っ子の大物である可能性も見え隠れするが、一方で将来的なダートグレード席巻への助走という解釈も成り立つ――」。これは昨年の夏、ソダシの新馬勝ち直後に、他の媒体に寄稿した血統評価の一節。最新の桜花賞馬のダートG1参戦も血統的に見れば想定の範囲内で、むしろ満を持しての大コンバートといえる。

 クラシックホースがダートG1を走ることは極めてまれだが、桜花賞馬に関しては97年のキョウエイマーチ、15年のレッツゴードンキの先例がある。牡馬を蹴散らすまでには至らなかったものの、前者はマイルチャンピオンシップ南部杯、後者はJBCレディスクラシックで2着となり、どちらもフェブラリーSで5着を確保した。ちなみにキョウエイマーチは先日のブリーダーズCディスタフで大仕事をやってのけたマルシュロレーヌの祖母。経験則からも「ダート血統の桜花賞馬」には額面通りのダート適性を見込めるのである。

 父のクロフネは初ダートの武蔵野Sに続き、チャンピオンズCの前身であるジャパンCダートも異次元のレコードタイムで大勝した。意外にも種牡馬としてJRAのダートG1未勝利だが、この父は現役時に芝でNHKマイルCを勝っていた“元祖二刀流”。産駒の最高傑作にも同様の属性が備わっている可能性大だ。
 (サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る