藤井正弘の血統トピック

トーセンレーヴ エリート血統がゲリラ的一撃も、ポアゾンブラック 勝ち上がり率驚異の80%

[ 2021年9月1日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(10)】シリーズ最終回は注目すべき少数精鋭型ルーキーをまとめて紹介する。

 トーセンレーヴ(父ディープインパクト)はG1・6勝ブエナビスタの半弟。重賞タイトルは4歳時のエプソムCのみだが、7歳時にオープン特別2勝を挙げるなど、エリート血統らしからぬ打たれ強さを見せた。早世した半兄アドマイヤオーラも数少ない産駒から重賞勝ち馬を出したように、母ビワハイジ由来の遺伝因子は極めて精度が高い。初年度産駒7頭の中から福島芝2000メートルで新馬勝ちしたトーセンクレセントの他、岩手でも勝ち馬が出ている。自家生産用サイヤーならではのゲリラ的一撃があるかもしれない。

 ポアゾンブラック(父マイネルラヴ)は兵庫から中央入りしてオープン特別2勝、マイルCS南部杯2着などダートグレードでも活躍した15年NARグランプリ最優秀短距離馬。初年度産駒12頭のうち5頭が出走し、中央ではイチネンエーグミが福島ダート1150メートルで新馬勝ちを収め、地方では古巣の園田と門別で3頭が勝ち馬となった。現在、産駒の勝ち上がり率は驚異の80%。本年の交配料20万円という掘り出し物だ。

 エーシントップ(父テイルオブザキャット)はニュージーランドトロフィーなど世代限定重賞3勝の快足。わずか4頭の初年度産駒から岩手で勝ち馬が出た。北米主流血脈が網羅された本格派で、交配数は7頭→15頭→19頭と右肩上がり。現在は鹿児島で供用されており、九州産市場で一旗揚げることになりそうだ。 (サラブレッド血統センター)

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