藤井正弘の血統トピック

ワンアンドオンリー 名誉挽回のチャンスあり 超良血逆輸入馬のラニ

[ 2021年8月25日 05:30 ]

 【2歳新種牡馬紹介(9)】ワンアンドオンリー 2011年生まれ 黒鹿毛 新冠産 父ハーツクライ、母ヴァーチュ(母の父タイキシャトル)中央、UAEで33戦4勝 主な勝ち鞍は日本ダービー、神戸新聞杯、ラジオNIKKEI杯2歳S 2歳産駒14頭。

 第81代日本ダービー馬。1番人気の皐月賞馬イスラボニータをマッチレースの末に退け、10年前に2着に敗れた父ハーツクライの雪辱を果たすと、秋初戦の神戸新聞杯でもゴール前3頭横一線の接戦で貫禄を示した。1番人気で9着に終わった菊花賞の後は4歳時のドバイシーマクラシック3着が最高着順で、結果的にクラシックでピークアウトしていたということだろう。オークスのヌーヴォレコルトとともに牡牝の2冠目を独占した父のビンテージ世代。産駒数は少ないが、種牡馬として名誉挽回のチャンスは残されている。

 ラニ 2013年生まれ 芦毛 米国産 父タピット、母ヘヴンリーロマンス(母の父サンデーサイレンス)中央、北米、UAEで17戦3勝 主な勝ち鞍はUAEダービー 2歳産駒84頭。

 秋の天皇賞馬である母を米国で繁殖入りさせ、現地の最上級の種牡馬を交配して生み出された逆輸入馬。UAEダービー制覇に続いて米3冠を皆勤し、最終戦のベルモントSで画期的ともいえる3着をもぎ取った。3歳時のレーティング113ポンドはダートの世代No・1。帰国後の不振は度外視して、生産部門では超良血輸入種牡馬として扱うべきだろう。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る