藤井正弘の血統トピック

「母25歳」のピンクカメハメハ 画期的サウジダービーV

[ 2021年2月24日 05:30 ]

 20日にサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジカップデー開催は、日本調教馬が2勝2着1回と大活躍。メイン(サウジカップ)のチュウワウィザードは9着に終わったが、セミファイナルのリヤドダートスプリントではコパノキッキングとマテラスカイがワンツーを決め、サウジダービーはピンクカメハメハが前年のフルフラットに続く日本調教馬のV2を果たした。特に初ダートだったピンクカメハメハの快走は、番組面で冷遇されている日本競馬の世代限定ダート部門の潜在能力を再認識させるものだったといえる。

 15年の2歳王者リオンディーズの初年度産駒であるピンクカメハメハは、宝塚記念などG1・3勝の名牝スイープトウショウの17歳違いの半弟。93年生まれの母タバサトウショウ(その父ダンシングブレーヴ)が25歳で産んだ最後の血統登録産駒だった。

 ちなみに過去10年の統計記録をさかのぼっても、母馬が25歳という血統登録産駒は同馬を含めてわずか6頭。母26歳以上の血統登録はない。生まれてきたこと自体が記録的ともいえる高齢出産である。

 ちなみに国内重賞勝ち馬の「母馬年齢」は、手元に残る資料では03年東海Sを制したゴールドプルーフ(95年生まれ)の母サンウーマン(72年生まれ)の23歳が最高齢となっている。サウジアラビアはパート3競馬国なので国際セリ名簿基準では参考記録扱いだが、それでも「母馬年齢25歳」のピンクカメハメハのサウジダービー制覇が画期的であることに変わりはない。(サラブレッド血統センター)

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