藤井正弘の血統トピック

【スプリンターズS】「母父が歴代優勝馬の父」3頭に要注目

[ 2020年9月30日 05:30 ]

 短距離血統の偶発性は種牡馬ディープインパクトが今なお未勝利という事実に集約されているのだが、それでもスプリンターズSの歴史をひも解くと遺伝面での規則性らしきものが見えてくる。

 93、94年のサクラバクシンオーを皮切りに96年フラワーパーク、03年デュランダルと母の父として3頭の勝ち馬を出したノーザンテーストは、G2時代の88年の優勝馬ダイナアクトレスの父だった。G3時代の86年にドウカンテスコを出したテスコボーイは00年に大穴を叩き出したダイタクヤマトの母の父。自身の没年02年のビリーヴ、翌年に前出デュランダルを連発したサンデーサイレンスも16、17年連覇のレッドファルクスの母の父となっている。

 この3頭は一時代を築いた日本の大種牡馬だが、一方で95年の(外)ヒシアケボノの父にして07年のアストンマーチャンの母の父であるウッドマン、同じく99年ブラックホークの父であり08年スリープレスナイトの母の父でもあるヌレエフは在外種牡馬だ。

 今年の出走馬で歴代優勝馬の父を母の父に持つのはアウィルアウェイ(母の父キングカメハメハ)、ダイアトニック(母の父サンデーサイレンス)、ライトオンキュー(母の父レイヴンズパス)。いずれも前記したチャンピオンサイヤーあるいは外国血統という「再登板」のパターンに合致している。要注意だろう。 (サラブレッド血統センター)

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