藤井正弘の血統トピック

過去10年の2大勢力 ステイゴールドVSキンカメ“2世対決”

[ 2020年6月24日 05:30 ]

 過去10年の宝塚記念を振り返ると、前半5年と後半5年で血統勢力図がくっきりと色分けされていることに気づく。

 10~14年はナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、ゴールドシップの3頭で4勝というステイゴールド産駒の天下だった。だが、15年以降、ステイゴールド産駒は3着以内にも入っていない。その代わりに台頭したのがキングカメハメハ産駒。15年ラブリーデイ、18年ミッキーロケットの2勝に加え、16年にはドゥラメンテがタイム差なしの2着となっている。

 順繰りに幅を利かせてきたステイゴールドとキングカメハメハだが、今年はそれぞれ「種牡馬の父」としても有力馬をエントリーさせた。ラッキーライラックは前記オルフェーヴル産駒。サートゥルナーリアはキングカメハメハ後継のロードカナロア産駒。キングカメハメハの方は12年の2着馬ルーラーシップもキセキとダンビュライトを送り込んだ。2大VIPサイヤーの2世対決といった様相である。

 ちなみに10年前のナカヤマフェスタは、99年の優勝馬グラスワンダー産駒アーネストリー、同2着馬スペシャルウィーク産駒ブエナビスタをまとめて差し切り、99年の3着馬でもあった父ステイゴールドの雪辱を果たした。3年連続出走のキセキは今回初めてオルフェーヴル産駒という強力な“血統的仮想敵”を得た。激走に警戒したい。(サラブレッド血統センター)

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