藤井正弘の血統トピック

【ヴィクトリアM】メジェール母子2代どんでん返しだ

[ 2020年5月13日 05:30 ]

 ヴィクトリアマイルは13年のヴィルシーナを最後に単勝1番人気の馬が勝っていない。直近2年もリスグラシュー、ラッキーライラックと、後に文字通りの男勝りを実践した名牝が敗れている。一昔前のウオッカ、ブエナビスタもしかり。ちなみにもう一つの非世代限定牝馬G1エリザベス女王杯は12年から単勝1番人気が8連敗中。何度か書いてきた仮説だが、世代の異なる牝馬が集まると、本能的に未来の母たる互いの体力に配慮し、ある種のリミッターが作動するように思う。その結果、各馬の能力差が圧縮され、しばしば大本命が伏兵に足をすくわれるというわけだ。

 アーモンドアイは今回が初めての古牝馬重賞出走。立場としてはドバイ遠征帰りで2着に敗れた12年前のウオッカに酷似している。能力は断然だが、こちらも女子会的な牝馬G1独特の“磁場”の影響は多かれ少なかれ考慮しておきたい。

 血統的な大穴候補ならアーモンドアイと同期のロードカナロア産駒、メジェールスーだろう。前記08年ヴィクトリアマイルでウオッカの追い込みを封じたエイジアンウインズの娘である。エイジアンウインズの父フジキセキは、その前年の覇者コイウタ、さらには15、16年連覇のストレイトガールの父でもあるという“最多勝サイヤー”。母子2代の大どんでん返しの可能性は十分にある。(サラブレッド血統センター)

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