藤井正弘の血統トピック

【皐月賞】サドラーズウェルズ系“7年周期”に再注目

[ 2020年4月15日 05:30 ]

 予想ツールとしての血統は、ある意味で融通が利かない点が最大の武器であり、臨機応変よりも自縄自縛を選ぶべきというのが持論。今回も個人的には7年前に放ったロングパスを無視するわけにはいかない。皐月賞回顧のコラムで「20年の皐月賞まで覚えておいて損はない」と唱えた“サドラーズウェルズ系7年周期説”である。

 皐月賞の勝ち馬は90年代中盤から、ほぼブライアンズタイム、サンデーサイレンス系の持ち回りで推移してきた。その中で99年テイエムオペラオー、06年メイショウサムソンと2頭の優勝馬を送り出したのがサドラーズウェルズ後継のオペラハウス。13年の覇者ロゴタイプの父系はローエングリン、シングスピール経由でこちらもサドラーズウェルズにさかのぼる。きっちり「7年周期」が守られてきたわけだ。

 以後、昨年までの6年間でサドラーズウェルズ系の出走馬は18年ジャンダルム(9着)、ジュンヴァルロ(15着)、19年ランスオブプラーナ(18着)の3頭。今年、対象馬がいなければオカルティックな偶然で話は終わったのだが、何ともタイミング良く有力馬が台頭してきた。共同通信杯勝ちのダーリントンホールの父系はニューアプローチ~ガリレオと父子2代の英ダービー馬からサドラーズウェルズにたどりつく。サイヤーラインの多様性を確保する天の配剤かもしれない。(サラブレッド血統センター)

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