藤井正弘の血統トピック

【共同通信杯】道悪にエンがある岡田総帥秘蔵っ子

[ 2020年2月13日 05:30 ]

 明け3歳牡馬“3戦3勝トリオ”の先陣を切って始動するマイラプソディに注目が集まる共同通信杯には、もう一頭の連勝馬がエントリーしている。川崎でデビュー2連勝のエン。ビッグレッドグループの総帥、岡田繁幸氏所有のニュージーランド産馬である。

 岡田繁幸氏の地方競馬所属馬によるJRA侵攻オペレーションは、最大の戦果を挙げたコスモバルク以降もプレイアンドリアル、トラストと、周期的にかなり高い確率で成功している。今回のエンはニュージーランドの1歳セリで12万ニュージーランドドル(約840万円)で落札された掘り出し物。伯楽の目利き以上の説得力はないのだが、蛇足ながら血統面からの強調材料もある。

 父のタヴィストックは、モンジュー×クエストフォーフェイムという“愛英ダービー馬配合”にして“ジャパンC負け組タッグ”でもある成功種牡馬。18年宝塚記念の当欄でも触れたが、やや重馬場の消耗戦となった同レースで首差2着と貫禄を示した香港の王者ワーザーの父であり、今のところ産駒のJRA重賞連対率は100%ということになる。この父タヴィストックの父系祖父サドラーズウェルズと母の父ノーザンミーティアの祖父フェアリーキングが全兄弟で、限りなく3×4に近いインブリードを内蔵することがエンの配合的な起爆装置だ。

 エンは前記ワーザーの母の父ザビールが祖母の父でもあり、同様の道悪適性を見込める。馬場が渋れば伏兵以上の扱いが必要だろう。
00026206サラブレッド血統センター62

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