藤井正弘の血統トピック

【阪神JF】ハーツ産駒ディープの分まで顔役に

[ 2019年12月5日 05:30 ]

 今年の2歳リーディングは常勝ディープインパクトが獲得賞金5億2790万4000円で後継の新種牡馬キズナに1億3000万円以上の差をつけており、4年連続9回目の戴冠が確定的。あとは2年前に記録した7億2818万4000円の自己ベストにどこまで迫れるかといった状況だが、賞金順ランキングでディープインパクト父子に後れを取っている3位ハーツクライも質的には引けを取らない。2歳世代の勝ち馬14頭の中から早くもグレード勝ち馬3頭、リステッド勝ち馬1頭を含む6頭のオープン馬が出ているのである。

 今週の阪神ジュベナイルフィリーズにはその中の2頭、新潟2歳Sの勝ち馬ウーマンズハートとサウジアラビアRC2着のクラヴァシュドールがエントリーしてきた。前者は香港のスプリント王ラッキーナインのめいで、後者は同族(祖母の全姉)に米G1勝ちのスペインがいる。牝系はそれなりに繁栄しているが、母自身が飛び抜けたエリート牝馬ではないあたりが“自力型”のハーツクライらしさといえる。

 サンデーサイレンスの種牡馬としての最大のライバルは同じヘイルトゥリーズン系で1歳年長のブライアンズタイムだった。ハーツクライもブライアンズタイムがそうだったように、早世したライバルの分まで息長くG1戦線の顔役を務めることになるのだろう。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る