藤井正弘の血統トピック

【チャンピオンズC】国産砂血統進化の道筋を見逃すな!!

[ 2019年11月28日 05:30 ]

 チャンピオンズCは前身のジャパンCダートから回を重ねて区切りの20回目。先週のジャパンCとの比較ではまだ半分の歴史だが、今回の出走馬の母系に着目するとダート部門の遺伝的な精度の高さに気づかされる。歴代優勝馬の極めて近い親戚筋が3頭もエントリーしているのである。

 ジャパンCダート時代の第5回優勝馬タイムパラドックスの、おいにあたるのがタイムフライヤー。同馬の母タイムトラベリング(父ブライアンズタイム)はタイムパラドックスの全妹で、兄が同厩の1番人気アドマイヤドンを圧倒した04年生まれになる。同じく第7回優勝馬アロンダイトの全姉クリソプレーズ(父エルコンドルパサー)を母に持つのはクリソベリル。叔父にあたるアロンダイトは3歳時に未勝利から5連勝で国内ダートの頂点に駆け上がった。“連勝モード”突入の早さは牝系由来の属性だろう。チュウワウィザードは昨年の覇者ルヴァンスレーヴと祖母オータムブリーズを共有する同い年のいとこ。牝系単位の“連覇”に挑むことになる。

 タイムフライヤーの父ハーツクライは本場アメリカのダートG1サイヤーで、チュウワウィザードの父キングカメハメハ、クリソベリルの父ゴールドアリュールもそれぞれ過去に複数の優勝馬を出している。国産ダート血統の進化の道筋を示す一戦といえそうだ。(サラブレッド血統センター)

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