藤井正弘の血統トピック

フェノーメノ 古馬戦線で大物出現期待大

[ 2019年8月8日 05:30 ]

 【新種牡馬紹介(9)フェノーメノ】2009年生まれ 青鹿毛 平取産 父ステイゴールド、母ディラローシェ(母の父デインヒル)中央で18戦7勝 主な勝ち鞍は天皇賞・春2回、日経賞、セントライト記念、青葉賞 2歳産駒94頭。

 4歳時と5歳時に同期ゴールドシップとの“ステイゴールド産駒対決”を制し、メジロマックイーン、テイエムオペラオーに続く史上3頭目の天皇賞・春連覇を達成した強豪。歴代の青葉賞優勝馬で最も日本ダービー制覇に肉薄した(鼻差2着)馬であり、結果的に史上最速の「秋春制覇」に半馬身差まで迫っていたことになる3歳秋の天皇賞2着など、G1戦線で発揮した能力はステイヤーのカテゴリーにとどまらなかった。3連覇を目指した6歳時の天皇賞は、直前に脚部不安を発症して回避。三度目の正直に挑んだゴールドシップに花を持たせる形となり、そのまま現役を退いた。

 母系にデインヒル血脈を持つ点では、同じステイゴールド後継で宝塚記念優勝、凱旋門賞2着のナカヤマフェスタに通じる血統構成。ナカヤマフェスタは晩成型だった初年度産駒の台頭によって種牡馬能力を再評価されたが、こちらも2歳戦から早急に結果を求めるタイプではないだろう。ステイゴールド系特有のパワーヒッター出現はクラシック、古馬戦線でのお楽しみとしておきたい。産駒の距離適性に関しては母の父デインヒルに中和剤的な効果が期待できる。配合次第ではマイル部門進出も可能だ。(サラブレッド血統センター)

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