藤井正弘の血統トピック

【ユニコーンS】メジャー産駒ダート重賞初Vなるか

[ 2019年6月13日 05:30 ]

 16日のユニコーンSはJRA開催で最初の3歳ダートグレード競走。前5年の優勝馬のうち3頭までが、のちにG1勝ちしており、G3格は過小評価と言えなくもないだろう。オープン未勝利だったマスターフェンサーの米3冠路線での健闘は日本のダート競馬の潜在能力の証明。そろそろ“自前”の世代限定ダートG1が競馬番組に組み込まれてもいい時期と思う。

 今年も近未来のG1級が集結した豪華メンバーとなった。血統面から注目しておきたいのはオープン特別2勝を含む4連勝中のデュープロセスと昨年の全日本2歳優駿勝ち馬ノーヴァレンダ。ダイワメジャー産駒の2頭出しである。

 09年生まれの初世代から現3歳までの8世代でJRA重賞34勝を挙げている種牡馬ダイワメジャーだが、JRAダート重賞は依然として未勝利。地方開催のダートグレード競走もノーヴァレンダの全日本2歳優駿以前は第4世代ブルドッグボスのクラスターC勝ちがあるだけだった。もちろん“本業”の芝部門でも現3歳世代からキャリア初のデュアルG1勝ち牡馬アドマイヤマーズが出ているのだから、ダート部門への本格参入は変節ではなく進化と解釈するべきだろう。

 ダイワメジャーの母の父は産駒が3度変わるといわれたノーザンテースト。種牡馬としての“成長力”も、この母の父由来と考えられる。今回のユニコーンSはダートサイヤーとしてのダイワメジャーのターニングポイントになるはずだ。(サラブレッド血統センター)

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