藤井正弘の血統トピック

【米ベルモントS】マスターフェンサーの適応力は祖父&父譲り

[ 2019年6月6日 05:30 ]

 6週連続のG1開催が一段落した今週末も国内で「G1馬券」の発売がある。8日(日本時間9日朝)にニューヨーク州ベルモントパーク競馬場ダート12Fで争われる第151回ベルモントS。日本調教馬マスターフェンサーが挑む米3冠最終戦である。

 マスターフェンサーは前走のケンタッキーダービーで繰り上がりの6着。5着以下のパフォーマンスが原則的に切り捨てられる暫定レーティングは伏竜S2着当時の102ポンドのままだが、今回の主役級と目されるケンタッキーダービー3着のタシトゥスが115ポンドだから、同馬から0秒2差というマスターフェンサーは実質112~113ポンドの能力を発揮した計算になる。世界最高峰のダート戦でもそれまでの国内戦同様、メンバー中最速の上がりを叩き出したのは驚きで、あらゆる意味での環境適応力に優れた馬なのだろう。これは父子2代のドバイ制圧を果たした祖父ハーツクライ、父ジャスタウェイに由来する資質という見方も可能で、現実にハーツクライは輸出産駒のヨシダによって米ダートG1サイヤーとなっている。

 母の父デピュティミニスターは、父として97年の優勝馬タッチゴールドを出し、母の父としては02年サラヴァ、06年ジャジル、その妹である07年ラグズトゥリッチズと、計3勝を挙げているベルモントSの最重要血脈。直近5年で3勝というタピット産駒の前出タシトゥスは強力だが、こちらも血統的には勝機ありだ。(サラブレッド血統センター)

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