藤井正弘の血統トピック

【安田記念】ステルヴィオ“2代制覇”あるぞ!

[ 2019年5月30日 05:30 ]

 単勝12番人気の伏兵ロジャーバローズが同じディープインパクト産駒の3番人気ダノンキングリーの追い上げをしのいだ今年の日本ダービーでは、「2頭出しは人気薄を狙え」という昭和の時代からのオカルティックな格言が血統面でも今なお有効であることを再認識させられた。今週の安田記念は国内外でG1・5連勝中の3冠牝馬アーモンドアイと復活したレーティング上の史上最強2歳王者ダノンプレミアムの一騎打ちムードだが、前者も後者も父馬が共通する影武者的存在の台頭には警戒が必要だろう。

 ステルヴィオはアーモンドアイと同じロードカナロアの初年度産駒。昨年のマイルチャンピオンシップで異世代撃破を果たしたG1マイラーで、伏兵扱いは少々失礼かもしれない。少なくともマイルでの実績には初顔合わせとなる同期の女傑も一目置くものがある。

 ステルヴィオの4代母スイートコンコルドは、グレード元年の84年に3冠を達成したシンボリルドルフの全姉。対アーモンドアイという観点からは伝説級の“3冠馬”をルーツに持つ点でも気後れしない血統と言える。3代母の父トウショウボーイは91年の優勝馬ダイイチルビーを出した安田記念サイヤー。3冠牝馬を出し抜いてエアジハード(99年)、ショウワモダン(10年)父子以来となる“2代制覇”を実現しても不思議ではない。(サラブレッド血統センター)

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