藤井正弘の血統トピック

【皐月賞】デイジー 強力母系で巻き返し

[ 2019年4月11日 05:30 ]

 グランアレグリアの桜花賞制覇は、かつてネガティブファクターとされた休み明けが今や積極的な買い材料となることの何よりの証明となった。今週の主役を務めるサートゥルナーリアも同様。コース実績を含めて死角は見当たらないのだが、血統面には牡馬クラシック初戦に関してのかすかな瑕疵(かし)がある。母の父スペシャルウィークが抱えるトラウマだ。

 スペシャルウィークは単勝1・8倍の断然人気に支持された98年の皐月賞で3着に敗れた。父としては2頭出しだった09年に8番人気トライアンフマーチが2着に食い込んだ一方、2番人気リーチザクラウンは13着に大敗。14年にも8番人気ウインフルブルームが3着に粘ったが、結局、現役時の雪辱は果たせなかった。そして母の父としては13年、サートゥルナーリアの半兄であるエピファネイアがレコード快走のロゴタイプの後塵(こうじん)を拝している。いささかオカルトめくが、大外18番枠を引いた競走馬時代の勝負運のなさが遺伝子に刷り込まれているようにも見えるのである。

 巻き返しを図るニシノデイジーは祖母の父が前記98年の優勝馬セイウンスカイ。「対スペシャルウィーク」という観点からは、これほど強力なカウンター血脈もないだろう。母の父アグネスタキオンも01年の覇者。ここ一番で母系の“血中濃度”を見直しておきたい。(サラブレッド血統センター)

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