藤井正弘の血統トピック

【根岸S】砂参戦ノーテック プラマイ要因隣合わせ

[ 2019年1月24日 05:30 ]

 昨年のNHKマイルC優勝馬ケイアイノーテックが根岸Sに出走を予定している。芝G1ホースのダート参戦には異種格闘技戦的な独特の高揚感があるのだが、加えてケイアイノーテックのコンバートは、プラス要因とマイナス要因が背中合わせという血統背景からも非常に興味深いものだ。

 プラス要因は母ケイアイガーベラの血統と競走実績。ケンタッキーダービーとプリークネスSの米2冠を制したスマーティジョーンズの持ち込み馬であるこの母は、プロキオンS(レコード)、カペラSのグレード2勝を含む全9勝をダートで挙げた快足だった。普通に考えればダート適性が潜在している可能性大だろう。

 一方のマイナス要因はディープインパクト産駒であること。種牡馬ディープインパクトは去る12日、成田特別のミッキーポジションでJRA通算1800勝に到達したのだが、その成田特別が累計155勝目となる平地ダート勝ち鞍は総勝利数の1割にも満たない。オープン級勝利はボレアスの11年レパードS、アンジュデジールの18年JBCレディスクラシックのみ。不動のチャンピオンサイヤーもダート部門に関しては一転、並の種牡馬に成り下がってしまうのである。

 NHKマイルCは二刀流の登竜門といえるG1で、歴代優勝馬ではイーグルカフェとクロフネが後にジャパンCダートを勝った。ここでケイアイノーテックが勝利を収めれば一躍、フェブラリーSの主役にのし上がるのだが、果たして…。(サラブレッド血統センター)

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