藤井正弘の血統トピック

【東海S】一族が“活動期”ウィザードも続く

[ 2019年1月17日 05:30 ]

 若き王者ルヴァンスレーヴの戦線離脱は残念だが、明け4歳世代はダート部門も近年屈指のタレント集団と言える。その一翼を担うのが東海Sにエントリーしてきたチュウワウィザード。重賞初制覇となった昨年末の名古屋グランプリは、特に経験値が重要とされる国内最長距離(2500メートル)のダートグレード競走で、3歳馬の優勝は04年ワイルドソルジャー以来14年ぶりの快挙だった。

 チュウワウィザードには血統面にも特筆すべきストロングポイントがある。瀬波温泉特別など4勝を挙げた同馬の母チュウワブロッサム(父デュランダル)は、ルヴァンスレーヴの母マエストラーレ(父ネオユニヴァース)の1歳違いの半妹。つまり、同期のダート王とはいとこ同士の間柄なのである。ちなみに名古屋グランプリの2週前、先月12日に行われた船橋のダートグレード競走、クイーン賞を制したアイアンテーラー(父ゴールドアリュール)は母の7歳違いの半妹で、叔母ということになる。ルヴァンスレーヴのチャンピオンズCを含め、昨年12月は祖母オータムブリーズから広がる一族だけで月間重賞3勝。どうやら牝系単位で注視すべき“活動期”に突入したようだ。

 2歳戦から世代のトップを走り続けてきたルヴァンスレーヴに対し、3歳デビューのチュウワウィザードは条件戦からの叩き上げで余力十分。同族の王者がリスタートする際には、最強の挑戦者として対峙(たいじ)することになるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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