藤井正弘の血統トピック

【マイルCS】マル外の“ベストトゥベスト”ジャンダルム大駆けだ

[ 2018年11月15日 05:30 ]

 マイルチャンピオンシップは古馬芝G1の中で最もマル外馬の強いレース。第10回シンコウラブリイを皮切りに第14、15回連覇のタイキシャトル、第17回アグネスデジタル、第18回ゼンノエルシド、第27回エーシンフォワード、第28回エイシンアポロンと、過去6頭が7勝を挙げている。内国産血統全盛時代を迎えてなお、ピンポイントで在外血統に割り込む余地が残されているのがマイル部門の独自性といえる。

 マイルG1連覇を狙うモズアスコットは当然、有力だが、忘れてはいけないのがもう1頭のマル外。3歳ジャンダルムだ。

 ジャンダルムはサンデーサイレンス初のスプリントG1勝ち馬である母ビリーヴがアメリカで産んだ7番子。父キングマンボの初子ファリダット、父メダーリアドーロの第5子フィドゥーシアもマル外として重賞級で活躍したが、グレード勝ちを収めたのはジャンダルムが初となる。北米史上最高のターフサイヤーともいわれる父キトゥンズジョイは、現3歳世代からも欧州G1・4勝の大物ロアリングライオンを出した。ジャンダルムの配合は、アメリカ産だからこそ実現した“ベストトゥベスト”なのである。

 昨年の覇者ペルシアンナイトも「母の父サンデーサイレンス」だった。牝馬三冠のアーモンドアイしかり。元祖スーパーサイヤーの血脈はG1舞台でこそ威力を発揮する。大駆けを警戒したい。(サラブレッド血統センター)

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