藤井正弘の血統トピック

アレスバローズ、ディープ産駒鬼門突破の切り札

[ 2018年9月27日 05:30 ]

 CBC賞、北九州記念と、重賞連勝中のアレスバローズはディープインパクト産駒。芝1200メートルの重賞を勝ったディープインパクト産駒は他にウリウリ(CBC賞)、シャイニングレイ(同)、サトノルパン(京阪杯)、ブランボヌール(函館2歳S、キーンランドC)がいるのだが、2連勝はもちろんアレスバローズが初めてである。不動のチャンピオンサイヤー唯一の泣きどころともいえるスプリントG1攻略の切り札的存在だ。

 アレスバローズはCBC賞が6歳にして初の重賞勝ちだった。おおむねクラシックにピークが設定されている父の産駒としては異色の成長曲線を描いてきた馬で、その意味でも“変異種”に近いのだが、4代母インスローラーを経由してリンクする同族には高松宮記念3着のソルジャーズソング、2年前のスプリンターズS3着のソルヴェイグがいる。短距離適性は牝系の血に潜伏していた属性とも考えられるだろう。

 父系祖父サンデーサイレンス初のスプリントG1勝ち馬は自身の没年、02年スプリンターズSのビリーヴ。産駒デビュー9年目のことだった。父のディープインパクトも同じく今年が産駒デビュー9年目となる。この春の種付けでも200頭近い交配牝馬を集めて健在の2代目スーパーサイヤーだが、苦手部門克服に関してはここで“先代”を踏襲しておきたい。(サラブレッド血統センター)

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