藤井正弘の血統トピック

【安田記念】香港馬ウエスタンエクスプレスを警戒

[ 2018年5月30日 05:30 ]

 今回の安田記念は種牡馬単位のチーム戦の様相。最多3頭出しとなったディープインパクトの物量作戦はG1恒例だが、他にもアドマイヤムーン、エンコスタデラゴ、ダイワメジャー、ハーツクライ、ハービンジャーと、実に6頭の種牡馬が複数の産駒をエントリーさせている。中でも異彩を放つのは、香港から参戦のウエスタンエクスプレスと重賞連続2着の上昇馬キャンベルジュニアの父エンコスタデラゴ。国外供用種牡馬としては17年桜花賞のフランケル(ソウルスターリング、ミスエルテ)以来の“G12頭出し”である。

 フェアリーキング後継のエンコスタデラゴは07―08年、08―09年シーズンの豪チャンピオンサイヤー。功成り名を遂げて15年に種牡馬を引退したが、前出2頭と同じ12年生まれの第15世代からは豪G1ウイナーが2頭出ている。現6歳はこの大種牡馬にとって最後の当たり年となるだろう。

 ウエスタンエクスプレスは昨年末の香港マイル、前走のチャンピオンズマイルとG12着が2回ある実力派。最重要テーマである初コースへの適応力は、図らずも同期で同じ父のキャンベルジュニアによって間接的に証明されているともいえる。10年のスプリンターズSを10番人気で制したウルトラファンタジーもこの父の産駒。国際レーティング117に見合う激走を警戒しておきたい。(サラブレッド血統センター)

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