藤井正弘の血統トピック

【ヴィクトリアM】“マイル重賞ファミリー”アヴァンセの出番

[ 2018年5月9日 05:30 ]

 種牡馬デビュー以来初めて、牡牝のクラシック初戦で産駒が一頭も馬券に絡めなかったディープインパクトだが、その代わりに先週末はサクソンウォリアーの英2000ギニー快勝で本場英国のクラシックサイヤーという画期的な称号を手に入れ、返す刀でNHKマイルCではケイアイノーテック→ギベオンがワンツーフィニッシュを決めた。国内外のマイルG1連勝中の勢いは、混戦模様のヴィクトリアマイルでも重視しておきたい。

 レッドアヴァンセは5着に敗れた秋華賞以来、1年7カ月ぶりのG1挑戦となる。長兄リディル(父アグネスタキオン)に始まり、クラレント(父ダンスインザダーク)、レッドアリオン(父アグネスタキオン)、そして父ディープインパクトの全兄サトノルパンと、血統登録産駒を4頭連続でグレード勝ち馬に仕立て上げた母のエリモピクシーは近年屈指の名繁殖。クラレントは当コースの富士S、東京新聞杯を含むグレード5勝をマイルで挙げ、リディルとレッドアリオンもそれぞれマイルG2勝ちを収めているように、この母は極めて高性能のマイラー製造牝馬でもある。

 NHKマイルCでは2歳違いの半弟レッドヴェイロン(父キングカメハメハ)が同タイム3着に突っ込んだ。今週は姉の出番。“重賞ファミリー”の悲願ともいえるG1奪取の目は十分にある。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る