藤井正弘の血統トピック

【皐月賞】ステルヴィオでカナロア産駒の快挙なるか

[ 2018年4月11日 05:30 ]

 不敗の2歳女王を引き立て役にしてしまった第78代桜花賞馬アーモンドアイは、その父ロードカナロアの種牡馬としての可能性を一気に押し広げた。2歳戦で実証したアベレージの高さだけでなく、長打力も一級品ということが明らかになったのだから鬼に金棒。今週のステルヴィオにも最大級の警戒が必要だろう。

 ステルヴィオの母ラルケットは現役時に芝1800メートルの洞爺湖特別など4勝を挙げ、重賞のクイーンCで3着に入線した。アーモンドアイの母フサイチパンドラと比べるのはかわいそうだが、距離克服能力を含め、相応の実績を残した馬だ。祖母のアズサユミはこの母の他に阪神ジャンプS勝ちのクランエンブレム、新潟ジャンプS勝ちのクリーバレンと、2頭の障害重賞勝ち馬を生んでおり、遺伝的な信頼性の高い牝系といえる。そのルーツは4代母のスイートコンコルド。34年前の皐月賞馬でもある3冠馬シンボリルドルフの全姉である。

 過去に同一世代から桜花賞馬と皐月賞馬を出した種牡馬はダイオライト、プリメロ、ヒンドスタン、イエローゴッド、パーソロン、サンデーサイレンス(3回)、キングカメハメハの7頭を数えるが、初年度産駒という縛りをかけると先例がない。ロードカナロアが牡牝の第1冠を独占すれば、血統史の上でも画期的。近未来のスーパーサイヤーの座が約束される。 (サラブレッド血統センター)

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