藤井正弘の血統トピック

【高松宮記念】ブリザード 父系に潜む日本競馬攻略への執念

[ 2018年3月21日 05:30 ]

 香港から参戦のブリザードは昨年のスプリンターズS5着馬。帰国後の香港スプリントでも3着に入り、17年世界ランキングで今回の出走メンバー中3位となる115ポンドのレーティングを得た。今や押しも押されもせぬ短距離大国のトップスプリンターである。

 ブリザードの父スタークラフトはAJCダービー制覇などオセアニアのG1戦線で活躍した後、欧州に移籍してマイルG1を2勝したニュージーランド産の名馬。種牡馬としては現役時ほどの名声を得たとは言い難いが、G1・2勝の後継スターウィットネスがG1サイヤーとなって血脈を次世代につないでいる。ちなみにスタークラフトの父ソヴィエトスターはヌレエフ産駒の仏2000ギニー馬で、95年から5年間、日本で供用されていた輸入種牡馬。5世代でJRA重賞勝ち馬1頭(セフティーエンペラ=04年福島記念)という不振に終わったソヴィエトスターが、結果的にアイルランドへの輸出の行きがけの駄賃のように立ち寄ったニュージーランドで送り出したのがスタークラフトだった。

 ソヴィエトスターは第1回ジャパンCで1番人気の支持を集めた(3着)ザベリワンの半弟。種牡馬として果たせなかった姉の雪辱を孫世代のブリザードに託した形にもなるわけだ。父系に潜む日本競馬攻略への執念に乗ってみる手はある。(サラブレッド血統センター)

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