藤井正弘の血統トピック

土日でセン馬重賞3勝は日本初!?

[ 2018年2月21日 05:30 ]

 ダイヤモンドSのフェイムゲーム、小倉大賞典のトリオンフ、そしてフェブラリーSのノンコノユメ。先週末の重賞4鞍のうち、牝馬限定戦の京都牝馬Sを除く3レースの優勝馬は、いずれもデビュー後に去勢手術を施されたセン馬だった。セン馬による「出走機会グレード3連勝」は、牡馬の大半が去勢されるオセアニアや生産基盤を持たない香港競馬では日常茶飯事だが、日本の競馬においては恐らく史上初のレアケースだろう。

 去勢のメリットには諸説あるが、基本的には気性の荒さを矯正することによって操作性を上げ、競走馬としての能力をフルに引き出すことが目的となる。ダートグレード3勝を挙げた「牡馬」の時代に勝てなかったフェブラリーSを制したノンコノユメ、同じ58・5キロのハンデで3連覇を逃した2年前の雪辱を果たしたダイヤモンドSのフェイムゲーム、セン馬として9戦4勝2着3回の快進撃を続けるトリオンフ、それぞれ去勢効果を実証した成功例といえる。

 ちなみにフェイムゲームと同じハーツクライ産駒では、他にカレンミロティックとメイショウナルトが去勢後に重賞ウイナーに上り詰めている。6日の佐賀記念でダートグレード初勝利を収めたルールソヴァールは、全兄の古豪サウンドトゥルーともどもセン馬。血統的な“去勢適性”は確かに存在するようである。(サラブレッド血統センター)

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