藤井正弘の血統トピック

交配相手の能力引き出すロードカナロアの“資質”

[ 2018年1月10日 05:30 ]

 正月開催の3歳重賞2鞍を制したのはディープインパクト産駒のプリモシーンとロードカナロア産駒のアーモンドアイ。2歳リーディングの2トップが年が明けても変わらない勢いを見せつける形となった。

 フェアリーS勝ちのプリモシーンは母のモシーンがVRCオークスなど豪州でG14勝を挙げた活躍馬。その父ファストネットロックはデインヒル系の豪チャンピオンサイヤーで、プリモシーンが母の父としての国内最初のグレード勝ち馬となる。種牡馬ディープインパクトにとって中山芝1600メートルは数少ない苦手部門で、フェアリーSにも過去7年、縁がなかった。やはりこの父の第8世代は進化した“第2形態”である可能性が大きいのだろう。

 シンザン記念で衝撃的な追い込みを決めたアーモンドアイの母は、サンデーサイレンス最終世代の2006年エリザベス女王杯勝ち馬フサイチパンドラ。この母は過去6頭の血統登録産駒が合わせて5勝と、繁殖牝馬としては振るわず、昨秋に世を去ったのだが、相前後して未勝利を勝ち上がった遺児が重賞初挑戦で素晴らしいパフォーマンスを披露した。交配相手のポテンシャルを引き出すことは、種牡馬として最も重要な資質の一つ。晴れてグレードサイヤーとなったロードカナロアには、間違いなくそれが備わっている。

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