藤井正弘の血統トピック

【高松宮記念】ミッキーアイルから託された夢と魂

[ 2017年3月22日 05:30 ]

 阪神大賞典のサトノダイヤモンド、フラワーCのファンディーナと、久々のマルチ重賞VでG1シリーズ開幕に弾みをつけた種牡馬ディープインパクト。今週の高松宮記念は新設の大阪杯、ホープフルSが加わって残り5レースとなった未勝利芝G1の一つだが、昨年は前年の3着馬でもあるミッキーアイルが3/4身差まで肉薄していた。スプリント部門は他のジャンルに比較して試行回数が少ないだけで、ディープインパクト産駒の守備範囲は基本的に芝コース全般。今回は“最強の重賞未勝利馬”フィエロがエントリーしてきた。

 スプリントG1どころか1200メートル戦への出走自体が初めてのフィエロだが、このコンバートには大いに勝算がある。同馬の母ルビーは、02年英・愛2000ギニーなどG1・7連勝(当時の世界新)を記録し、21世紀最初の歴史的名馬といわれたロックオブジブラルタルの全妹。そのロックオブジブラルタルの血を母の父として受けていたのが前記ミッキーアイルである。ディープインパクト産駒で最も成功したスプリンターとは、大部分の構成血脈が共通していることになるわけだ。

 いわばフィエロは、種牡馬の道を選んだミッキーアイルから“三度目の正直”を託された血統的代役。11年キンシャサノキセキ以来となる8歳馬によるスプリントG1制覇を期待してみたい。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る