藤井正弘の血統トピック

米年度代表馬、種付け料お買い得の4万ドル

[ 2017年1月25日 05:30 ]

 16年のエクリプス賞(アメリカ競馬年度代表表彰)が21日に発表され年度代表馬にはドバイワールドCを圧勝したカリフォルニアクロームが2冠を制した3歳時の14年以来、2度目の選出となった。得票数は248票中202票。ライバルと目されたアロゲート(40票)とは意外な大差がついたが、同馬を正攻法でネジ伏せにかかった末に逆転を許したBCクラシックは負けてなお強しの内容だった。G1・3勝を含む年間8戦7勝2着1回。文句なしに年度代表馬に値する戦績といえる。

 カリフォルニアクロームは28日に行われる話題の新設G1・ペガサスワールドCを最後に、テイラーメイド・ファームで種牡馬入りする。公表されている初年度の種付け料は4万ドル。これはリーズナブルというより、米国の生産者にとってはお買い得価格といっていいかもしれない。

 無名に近いラッキープルピットを父に持つカリフォルニアクロームの競走能力は、ミスタープロスペクター3×4の近親交配が図に当たったものと考えられる。さらに種牡馬としての未来を展望する際には、母のラヴザチェイスが3×3で内蔵する名繁殖ナンバードアカウントの血も見逃せない。ノーザンテーストやデインヒルの例で知られるように、優れた繁殖牝馬の近親交配は生産部門でより効果的。強力な遺伝力を発揮するはずだ。(サラブレッド血統センター)

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