【鳴尾記念】ヴェルトライゼンデ 屈腱炎乗り越えて初重賞制覇!中495日でも直線一気に加速

[ 2022年6月5日 05:00 ]

直線で抜け出し重賞初制覇のヴェルトライゼンデ(右)(撮影・亀井直樹)
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 中京で池江祭りだ。「第75回鳴尾記念」が4日、中京競馬場で行われ、2番人気ヴェルトライゼンデが1年4カ月ぶりの実戦で重賞初制覇を飾った。中495日の出走で、グレード制を導入した84年以降では07年京都ハイジャンプ・テイエムドラゴン(中573日)に次ぐ長期間隔のJRA重賞V記録。また、池江泰寿師(53)は中京5Rをダイヤモンドハンズ、中京7Rをゼッフィーロで勝ち、この日3戦3勝となった。

 鮮やかな復活劇だ。ヴェルトライゼンデが屈腱炎を乗り越え、1年4カ月ぶりのターフで重賞初制覇を飾った。

 オーストラリアの名手・レーンに導かれ、道中5番手の内ラチ沿いで脚をためる。手応え良く直線に向くと残り300メートルで進路を確保し、一気に加速。逃げ粘るキングオブドラゴンをあっさり捉え、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。レーンは20年ユニコーンS(カフェファラオ)以来のJRA重賞Vで節目の10勝目。「スイッチが入って(馬が)競馬を分かっていた。直線に入ってからも手応えが良く、スペースができてから素晴らしい瞬発力を見せてくれた。さらに良くなると思うし、将来が楽しみ」と称えた。

 昨年1月のAJC杯2着後、3月に右前屈腱炎が判明。長期の戦線離脱を余儀なくされた。池江師は「牧場がしっかりケアしてくれたおかげです」と周囲に感謝する。ブランクが長くてもレース勘が鈍るどころか、むしろセンスの良さを再認識させる走りで追ってからの反応、しまいの伸びも文句なし。19年ホープフルS2着、20年ダービー3着の地力は健在だった。今後については「脚元の状態を確認しながら慎重に決めます」とじっくりプランを練っていく。

 先週目黒記念ボッケリーニに続いて重賞Vの池江師。鳴尾記念は12年トゥザグローリーで勝ち、15年ラブリーデイから16年サトノノブレス、17年ステイインシアトル、18年ストロングタイタンまで4連覇を飾り、これでトレーナー別の最多6勝目となった。この日、3戦3勝とし、今年31勝でリーディング首位を走る名門厩舎の勢いは止まらない。重賞Vリレーへ、今日安田記念に出走する僚馬ソウルラッシュにバトンをつなげた。

 ◆ヴェルトライゼンデ 父ドリームジャーニー、母マンデラ(母の父アカテナンゴ)17年2月8日生まれ 牡5歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億1950万9000円。馬名はドイツ語「世界旅行者」

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2022年6月5日のニュース