【静岡・KEIRINグランプリ2021】古性 初出場初V!4番手から捲り圧勝、逆転で初賞金王!

[ 2021年12月31日 05:30 ]

グランプリ初優勝を飾り、静岡のファンの声援にヘルメットを投げて応じる古性(撮影・篠原岳夫)
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 「KEIRINグランプリ2021」が30日、静岡競輪場で行われ、4番手から強烈な捲りを決めた古性優作(30=大阪・100期)が初出場で初優勝を決めた。賞金1億830万円を獲得して18年三谷竜生以来3年ぶりとなる2億円超え。トップを走ってきた松浦悠士を逆転して初の賞金王に輝いた。昨年の和田健太郎に続く初出場Vで3年連続で4番車の優勝となった。人気を集めた平原康多は2着、郡司浩平が3着だった。

 先頭で最終コーナーを回る。後続はちぎれた。古性は不思議な感覚に襲われていた。「出切ってから直線が長く感じた。あれ?ゴールがけーへん(来ない)、けーへん。その分、ファンの声がよく聞こえた。本当に不思議な感覚だった」。完全にゾーンに入った。人生で一番長く、一番スローな時間が流れる。圧巻の強さでゴールに飛び込むと時が戻った。俺は勝ったのだ。

 最後方からの戦い。目の前には2段駆け準備の関東勢。はやる気持ちを抑え、ワンチャンスを待った。「初手があの位置になったので、そこからの勝負と決めた。近畿の選手として恥ずかしい走りはできなかった」

 打鐘前、関東勢が別線を一気に叩く。古性は流れに逆らわず4番手を確保した。1センター。思い切って踏む。気合で繰り出した捲りは鋭く、2コーナー番手捲りの宿口を一気にのみ込んだ。そこからは独壇場。他の8人がまるでスローモーションに見えた。古性の右腕が上がった。

 近畿単騎の孤独な戦い。しかし、多くの仲間がその背中を押した。「競輪場に入る前に近畿の先輩方から連絡をもらった。いいプレッシャーをしっかりと持って走れた。オールスターを勝った時と同様、今回も郡山久二(55期、引退)さんに練習をつけてもらった。全てのことがうまくいき、自分の力を1滴も余すことなく出せた。まずは家族、そして近畿の先輩方に喜びを伝えたい」

 優勝賞金1億830万円。年間獲得賞金は18年の三谷竜生以来、10例目の2億円の大台突破だ。「賞金は強くなるための投資にしたい。1番車は少し荷が重いが、来年は自分がしっかりと近畿を引っ張って、みんなでこの素晴らしい舞台に帰ってきたい」

 トレードマークのひげが誇らしい。明るい浪速の好漢に拍手がやまなかった。

 ▽グランプリVTR 郡司―佐藤―守沢―清水―松浦―吉田―宿口―平原―古性で周回をを重ねる。残り2周で清水―松浦が上昇するが、郡司は突っ張って清水を前に出させない。すかさず吉田―宿口―平原―古性が仕掛けて先制。郡司が5番手、清水は8番手に。バック4番手からスピード良く捲った古性が宿口―平原を乗り越える。宿口に乗った平原が2着に入り、郡司がゴール前で伸びて3着。

 ◇古性 優作(こしょう・ゆうさく)1991年(平3)2月22日生まれ、大阪府出身の30歳。100期生。BMX出身の並外れたバランスでG3通算6V。今年8月のオールスターでG1初優勝。グランプリは今回が初出場。1メートル68、77キロ。血液型O。

 《次走》優勝した古性と3着の郡司は1月9日開幕の和歌山記念。2着の平原は1月4日からの立川記念に出走予定。

 《目標クリア》今シリーズ3日間の売り上げは129億5336万円で目標の120億円を上回った。またグランプリ1競走の売り上げは62億4182万円で目標の60億円を上回った。

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