【セントライト記念】ソーヴァリアント勢い一番、折り合いOK 手綱抑え先着

[ 2021年9月16日 05:30 ]

<セントライト記念>Wコースでララサンスフル(右)と併せて追い切るソーヴァリアント(撮影・郡司 修)
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 菊花賞トライアル「第75回セントライト記念」(中山)は月曜競馬(20日)で追い切りが16日に集中。そんな中、15日にはソーヴァリアントが折り合い重視の美浦Wコース併せ馬で道中リズム良くラップを刻み、しまい鋭く伸びてきた。出来は充実。条件戦連勝の勢いに乗って初タイトルを目指す。

 再コンビの戸崎が2週連続で騎乗したソーヴァリアントの最終追いには明確な主眼があった。

 「菊花賞を目指そうと思うなら道中の折り合いは大切。ウオームアップの段階からそれを意識して、意図する調教ができるか」

 これが大竹師から鞍上へのオーダー。Wコースでララサンスフル(3歳1勝クラス)を目標に丁寧に折り合って直線は内へ。5F69秒1~1F11秒6(馬なり)。手綱を抑えたままパートナーを圧倒し、楽々と半馬身先着した。突っ走りそうだった先週が動なら、今週は静で巧みに走った。戸崎は「先週長めからやっているので、今日は折り合いを見ながら。先週はグイグイ…という感じだったけど、今週はふんわり落ち着いていた。そのあたりは良くなってます」と語った。

 3月の弥生賞ディープインパクト記念4着で皐月賞優先出走権を逃すと、潔く夏の札幌自己条件から再出発。いずれも好位で巧みに立ち回って6馬身、3馬身半差完勝で2連勝。特に2走前の利尻特別の上がり3F33秒0は札幌芝コースが運用開始になった90年以降で歴代最速。同師は「元々ポテンシャルは高かったが落ち着きが出たことで、しっかり力を出せるようになった」と目を細めた。

 弥生賞以来の重賞挑戦。同厩舎のエース格ブラストワンピースやルージュバックなどでG1の重さを熟知する指揮官は「競馬のうまさに、さらに磨きをかけたい。実際に勝っている2200メートルは大丈夫。さらに距離を延ばそうと思えば、ゲート裏など、もう一段落ち着けば。現時点で菊花賞に行くか決まっていない。今回の競馬を見てからですね」と進路を決める大一番に静かに闘志を燃やした。

 先週の京成杯AH(カテドラル)に続く2週連続重賞Vが懸かる鞍上も「ジワッと長く脚を使えるのが長所。この2戦が楽な競馬だったので(重賞の)今回は試金石。楽しみにしている」と心を躍らせる。夏の札幌の輝きは本物だったのか?相手強化のここで即結果を出すようならラスト1冠が見えてくる。

 《利尻特別3F33秒0、札幌競馬場歴代最速》ソーヴァリアントが6月19日の利尻特別(芝2000メートル)1着時に記録した上がり3F33秒0は、90年に芝コースが運用開始した札幌競馬場で、距離を問わず歴代最速だ。これまでの札幌芝2000メートル戦の上がり3F最速は、アドマイヤムーンが06年札幌記念優勝時に記録した33秒5。同馬はその後、07年ドバイデューティーフリー、宝塚記念、ジャパンCでG1・3勝と大出世を果たした。ソーヴァリアントにも同様の活躍が期待できるか。なお、歴代2位は今夏6月12日の新馬戦(芝1000メートル)で3着馬ブッシュガーデン(牝2=武井)がマークした33秒1。札幌芝で「上がり3F32秒台」を記録した馬は1頭もいない。

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2021年9月16日のニュース