【新潟2歳S】アライバル「出世レース」から一族悲願のG1制覇へ力試し

[ 2021年8月24日 05:30 ]

Road to 2022

18日、新潟2歳Sへ1週前追い切りを行ったアライバル(撮影・西川 祐介)
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 夏競馬も残り2週とラストスパート。今週は若駒の登竜門「第41回新潟2歳S」が行われる。数々の名馬が飛躍への足掛かりとした重要ステップだ。今年も好素材が集うが、東の注目はアライバル。ハイレベルな新馬戦を完勝した良血が、早くも来春を見据え、晩夏の越後でタイトル奪取を目指す。また、今週も楽しみな新馬たちがデビュー。名門・友道厩舎が送り出すサトノヘリオス、アドマイヤグリーゼが話題を呼ぶ。

 アライバルの初戦は6月の東京マイル戦。栗田師の「総合力が高い馬」という愛馬評を、存分に見せつける内容だった。無難なスタートを決め、道中は好位馬群の真ん中。前後左右を囲まれる形にもエキサイトせず、スムーズに運んだ。直線入り口で前の馬がバランスを崩すも、動じることなく進路を確保。残り200メートルで気合のステッキを入れると瞬時に加速。3F33秒7の切れ味で、あっという間に2馬身半抜け出した。2着プルパレイは次走の新潟でレコードV。より評価は高まった。

 前走後は福島県のノーザンファーム天栄で放牧。英気を養い、今月4日に美浦トレセンへ帰厩した。「力むところがあるので、気性面を確認しながら、いかにリラックスして走れるかを考えて調整してきた」と栗田師。スイッチが入りやすい気性を考慮し、デビュー前は併せ馬を避けてきたが、この中間は2本の併せ馬を消化。「見た目は変わっていないけど、気性面の成長が見られるので併せる形で追い切りができている。それにつれて状態も上がってきた」と、着実に進化する愛馬に目を細める。

 まだ成長途上で脚元に弱さを抱える段階。「あまり回数を使えるタイプではない。ここを使うということは、秋はパスするということ。ピンポイントで、最低でも賞金を加算したい」と師。来春に向けて決意をにじませる。母クルミナルは新馬→エルフィンSを連勝したが桜花賞2着、オークス3着とクラシックで惜敗。1歳上の姉ククナも重賞で善戦しながらタイトルを獲れていない。G1のビッグタイトル獲得は一族の悲願でもある。

 馬名の意味は「到達」。競馬界の頂点に達するように、との願いが込められた。指揮官が「紛れがなく力通りに決まる」と評する出世舞台でパフォーマンスを発揮すれば…。目指すべき高みの輪郭が、よりはっきりしてくるはずだ。

 《G1馬多数輩出のレース》新潟2歳Sはコース改修で現行舞台となった02年以降、関西からの遠征も増え出走馬のレベルが向上。04年にはワンツーを決めたマイネルレコルト、ショウナンパントルが、それぞれ暮れの2歳G1も制して「最優秀2歳」のタイトルを獲得。国内G1・2勝に加えドバイデューティフリーも制したジャスタウェイは11年の2着馬。13年ワンツーのハープスター、イスラボニータは翌年の桜花賞、皐月賞でクラシック制覇を果たしている。

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2021年8月24日のニュース