【北九州記念】ボンボヤージ 悲運の兄の分まで!余力たっぷり1F12秒1

[ 2021年8月20日 05:30 ]

単走で追い切るボンボヤージ(撮影・亀井 直樹)
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 強い追い切りは必要なかった。北九州記念で唯一、木曜追いのボンボヤージは川須(レースは岩田望)を背に角馬場へ。周回を重ねて入念に体をほぐした後、ポリトラックに向かった。ゆったり歩を進め、4F標識からスタート。テンの1Fは17秒2で入り、そこからジワッとペースを上げていく。終始、余力たっぷり。4F58秒7~1F12秒1が示すように、しまいを伸ばしただけ。全体時計はかなり遅いが、これは思い描いた通りだ。動きをチェックした梅田師が意図を説明する。

 「CW(コース)の馬場が重いのでオーバーワークにならないように、ポリトラックに切り替えた。時計が遅くなったのは、レースまでにテンションが上がらないようにするため」

 前走後は約2週間のリフレッシュ放牧。1週前の時点でCWコース6F80秒9~1F11秒9と負荷をかけてある。梅田師は「先週しっかり追い切って仕上がっている。今回もいい状態で出走できる」とうなずく。

 同舞台の前走・マレーシアCは2番手追走からメンバー最速タイの上がり3F33秒8で抜け出してオープン入り。勝ち時計1分6秒9が光った。「前走は頭数が少なかったけど着差以上に強かった。平たん小回りの1200メートルなら崩れず走れる」と適性を強調する。

 厩舎の先輩でもある1歳上の全兄ファンタジストは18年小倉2歳S、京王杯2歳Sと重賞2勝。G1(朝日杯FS4着)でも上位争いに加わった。「気が強いところは兄と似ている」と共通点を挙げ「このきょうだいは成績が安定しないけど裏を返せば何かやってくれそうな雰囲気がある」と兄に続く重賞Vへの期待を込める。ファンタジストは19年京阪杯のレース中に急性心不全を発症、帰らぬ馬となった。志半ばでターフを去った兄の分も…。そんな思いを背負い、妹が重賞に臨む。

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2021年8月20日のニュース