英G1制覇ディアドラを支えた女性調教師

[ 2021年7月30日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、クイーンS(G3)が行われる。この牝馬限定重賞を18年に制したのがディアドラ(栗東・橋田満厩舎)だった。

 前年の秋華賞(G1)勝ち馬でもある彼女は、ご存じの通り、後に英国ニューマーケットをベースに、世界各国を転戦。凱旋門賞(G1)などに挑戦した。

 そんな中、英国では念願の勝利を手にした。今年もまさに現在、開催されているグロリアスグッドウッドと呼ばれる真夏のグッドウッド競馬場のミーティング。2年前の19年8月1日に、ここで行われたナッソーS(G1)に出走したディアドラは見事に先頭でゴールに飛び込んでみせたのだ。

 グッドウッド競馬場を訪れたことのある人なら誰もがそのつくりに目をむくだろう。小高い丘というか山の中腹に、地形をそのまま利用してつくられたコースは見るからにタフで、馬場適性で言えば決して日本馬向きとは思えない。しかし、中距離戦における日本馬のレベルの高さが欧州勢を凌駕(りょうが)したのである。

 また、勝因のひとつとして、レース直後、橋田師は次のように語った。

 「入厩したジェーン(チャプルハイアム師)の厩舎が全面的に協力してくれたのが大きかったです」

 ディアドラがニューマーケットで過ごしたのは女性調教師のJ・チャプルハイアム師の厩舎。ナッソーSの約2週間前にディアドラはグッドウッド競馬場へ運ばれ、パドックやコースのスクーリング(下見)をしたのだが、その際、チャプルハイアム師は帯同馬を用意してくれた。グッドウッドで出走するわけではない馬をディアドラのためだけに同行させてくれたのだ。

 他にも調教時にディープインパクト産駒のラヴソーディープという馬を付き添わせてくれるなど、ディアドラが寂しがらないように協力体制を敷いてくれていた。彼女の協力あってこその英国G1制覇であった。

 さて、例年、札幌競馬場で行われるクイーンSだが、今週末は五輪の都合で函館開催となる。いつもとは違う舞台だが、ここから後に世界を制す名牝が生まれるかもしれない。注目しよう。 (フリーライター)

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